大日本印刷 関西ペイントと共同で燃料電池向け低価格金属セパレータを開発
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 以下:DNP)は、関西ペイント株式会社(本社:大阪 社長:小林正受 以下:関西ペイント)と共同で、自動車、家庭用発電システム、モバイル機器などでの実用化が期待される燃料電池向けの部材として、安価な金属セパレータを開発しました。
【背景】
燃料電池は、天然ガス、メタノール、石油・石炭ガスなどの燃料から取り出した水素と、空気中の酸素とを反応させることにより電力を得るものです。クリーンかつ効率的に電力を供給する次世代電源として注目されており、自動車用電源や家庭用電源、モバイル用電源としても有望視されています。
現在、燃料電池を構成する部材や周辺機器の開発が急速に進められており、DNPは、印刷関連技術であるコーティング技術や金属加工技術などを活用し、セパレータほか各種部材の開発を進めています。
セパレータは、燃料から得られた水素を効率よく発電部分に供給する役目を担っており、燃料電池のコストの約二分の一を占める主要部材です。この部材は、基材の表面に、水素を流すための溝(流路)が形成されています。これまでのセパレータは、基材としてカーボンを使うものが主流でしたが、強度向上や薄型化、低コスト化のため、現在は、金属を基材としたセパレータが有望とされています。しかし、金属セパレータは、腐食を防止したり、導電性を保つために、貴金属めっきをほどこす必要があり、結果としてコスト高になっていました。
【製品の概要】
今回開発した新型金属セパレータは、ステンレス基材に流路を形成した後、貴金属の代わりに、DNPが関西ペイントと共同開発した導電・耐腐食性樹脂材料を、電着法によりコーティングした製品です。DNPは、半導体部材の製造工程におけるレジスト塗布により、電着技術を確立しています。今回、電着法を採用したことにより、基材の凹凸部や端面などにも樹脂を均一にコーティングすることが可能となりました。また、樹脂を使用したことにより、貴金属めっきを行ったセパレータに比べて、表面処理のコストを約50%削減できました。当セパレータは、通常のカーボンセパレータおよび貴金属めっきを施した金属セパレータと同等の導電性、耐腐食性を有しています。
【今後の展開】
当セパレータのサンプル出荷開始は、2005年12月を予定しています。今後、モバイル機器メーカ、自動車メーカや家庭用分散電源メーカと共同で、特性評価およびコーティング剤の改善を図り、2007年の量産化を目指します。尚、11月14日(月)から米国・カリフォルニア州で開催される「2005 FCセミナー」にて、当製品の展示を行う予定です。